A.I. 

 

Artificial Intelligence 



地球温暖化が進んで一部の海に近い土地が沈み、妊娠・出産に厳しい許可制度がしかれ、人間の代わりに多くの資源を必要としないロボットが活躍する未来。

その時代に人間と同じ愛情を持つ少年型ロボットとして開発されたデイビッドは、彼を製作したロボット製造会社の社員、ヘンリーとその妻モニカの元へ試験的に送られる。夫妻には不治の病を持つ息子のマーティンが居たが、現在は冷凍保存で眠っていて目覚める保証はなく、実質的に子供がいないのと同じだった。
 

 
起動させたモニカを永遠に愛するようプログラムされたデイビッドだったが、マーティンが奇跡的に病を克服して目を覚まし、退院して家に戻って来てしまう。モニカはデイビッドよりもマーティンの方に愛情を注ぐようになった。ある日マーティンとデイビッドが遊んでいる最中マーティンの生命に関わる事故が発生し、デイビッドは森に捨てられる。
 

 
デイビッドは、再び母に愛されることを目的に友達の玩具型ロボットのテディ、森で出会ったセックス・ロボットのジゴロ・ジョーとともに旅をする。途中でロボットを破壊して楽しむショーの見世物にされかけるなど様々なトラブルに遭いながらも、モニカを愛するようにプログラムされたデイビッドはただひたすらにその愛を求めて旅を続ける。

ピノキオに出てくるブルーフェアリーを信じ、自分もピノキオと同じように人間にしてもらえると夢を抱き、最後は海の中に朽ち果てた遊園地とブルーフェアリーの銅像を見つける。 彼は意識を失うその瞬間まで「僕を人間の男の子にして」とブルーフェアリーに望み続けた。
 

 
――それから2000年が経ち地球は厚い氷に覆われ、人類は絶滅していた。海底で機能停止していたデイビッドは、より進化したロボットたちに回収され、再起動される。
 

 
デイビッドは彼らに歓迎され願いを1つ叶えてもらえることになる。彼はモニカと過ごす事を望んだ。技術が発達しているその世界ではクローン技術も進歩していたが、再生されたクローンは長く生きられないため、たった1日しか一緒にいられないことを告げられる。

それでも希望を捨てないデイビッドの願いを尊重したロボットたちは彼の願いに応え、デイビッドは母の愛にあふれた暖かな1日を過ごし、最後は人間と同じように眠るのだった。