グリーンマイル 

 

The Green Mile 


20世紀末、60年前の出来事を刑務所の看守主任だったポールが回想する形で物語が始まる―。

1932年、アメリカの刑務所。死刑囚監房で看守を務めるポールのもとに、一人の大男が送られて来る。双子の少女を強姦殺人した罪を持つ死刑囚ジョン・コーフィは、その風貌や罪状に似合わないほど弱く、繊細で純粋な心を持っていた。これと同時期に、知事の妻の甥であるパーシーが看守となり、傲慢な態度で他の看守たちから嫌われる存在になる。

ある時、コーフィは局部を掴んだだけでポールの重い尿路感染症を治してしまう。彼はその後も、パーシーに踏みつけられ瀕死の重傷を負わされたネズミ(囚人デルがMr.ジングルスの愛称で飼っていたネズミ)の命を救い、これを見た看守たちは、彼はその不思議な力を神から授かった特別な存在なのではと考え始める。同時にポールは悩む。コーフィが電気椅子に送られること、それを行う自分たちは大きな過ちを犯しているのではないかと。

しばらくして、ウィリアム・ウォートン―通称“ワイルド・ビル”という凶悪な死刑囚が送られてくる。コーフィは刑務所所長のハルの妻・メリンダから吸い取った病気をすぐに吐き出さず、パーシーに移した。パーシーは錯乱状態となってウォートンを銃殺し、まもなく精神病院に送られた。それからコーフィはポールの手を取って双子の少女の殺人事件の真相を伝え、ポールはウォートンが双子の少女を殺害した真犯人だったと知る。

しかし、コーフィの冤罪を覆す証拠は存在せず、死刑執行が決定される。ポールたちはコーフィに脱獄を勧めるが、「世界中で、今も愛を騙って人が殺されている。」「毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れたよ」と言いコーフィはそれを拒否して死ぬことを選んだ。数日後、コーフィは電気椅子に送られ、ポールの手で処刑された。

その後、ポールは108歳になっても健康なまま 生き続け、Mr.ジングルスも60年以上生き続けていた。これはコーフィの力の副作用によるものだったが、ポールは自分がコーフィを処刑したことで神から罰を与えられ、家族や友人全員より長生きすることになると信じている。そして短命であるはずのネズミのMr.ジングルスの異常な長寿ぶりから、自分が死ぬのは遠い先のことだろうと考えている。



 
 

果たして彼らはコーフィを救うことができるのか?コーフィの不思議な力に触れたポールの運命は?見る者をハラハラさせずにおかないドラマは、善良な看守たちとコーフィのあいだに通い合う切ない情感を湛えながら、人に与え、与えられる救済のテーマを強く浮かび上がらせていく。その最後に待ち受けるのは、予測を遥かに超えた驚きの結末。コーフィとポールをつなぐ「グリーンマイル」の絆が、圧倒的に重みを伴って迫って来るラストには、誰もが胸しめつけられる感動を覚えずにはいられないだろう。