ジュリー&ジュリア 

 

Julie & Julia 


50年の時を超え、2つの人生がキッチンで出遭った。

1949年、ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)はアメリカの外交官をしている夫のポール(スタンリー・トゥッチ)の赴任によりパリで暮らし始める。食べることが大好きなジュリアは、パリでの生活を満喫する。

ジュリアも結婚前は政府の仕事をしており、その関係でポールと知り合って結婚した。晩婚の2人には子供ができず、ジュリアはそのことで胸を痛めていた。ジュリアは生きがいを求め、プロを養成する本格的な料理学校へ通い始める。とにかく明るくて前向きなジュリアはメキメキと料理の腕を上げ、フランス料理のレシピをアメリカ人に伝えたいと思うようになる。

そんな時、英語でフランス料理の本を作ろうとしている2人の女性と知り合い、レシピ作りを手伝って欲しいと頼まれる。ジュリアは大喜びで執筆を始めるが、ポールの任期は終わろうとしていた。パリを離れ各地を転々としながらもジュリアは根気よく執筆を続け、700ページにも及ぶ原稿を完成させる。

ところがアメリカの出版社からもっと内容を省けと言われ、契約は白紙になってしまう。ジュリアは8年間文通を続けてきたエイヴィスに悩みを打ち明けていた。亡くなった夫が小説家で出版社に顔が効くエイヴィスは協力を申し出てくれ、クノッフ社にジュリアの原稿を売り込んでくれる。

編集長はジュリアのレシピを気に入り、アメリカのケンブリッジに転居していたジュリアのもとに、クノッフ社から出版したいという手紙が届く。1961年、ジュリアのレシピは「王道のフランス料理」として出版され、長く愛されるベストセラーとなる。


 
2002年、ジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は夫のエリック(クリス・メッシーナ)とニューヨークのクイーンズに引っ越してくる。今年30歳になるジュリーは小説家になる夢を断念し、現在は公務員をしていた。ピザ屋の2階という新居にも仕事にもストレスばかり感じていたジュリーにとって、料理をすることだけが安らぎだった。

ブログを始めた友人に刺激を受け、ジュリーもブログを開設する。ブログの内容は、敬愛するジュリアの「王道のフランス料理」にある524のレシピを365日で作りきるというものにした。なんでも中途半端に諦めてきたジュリーは、エリックの応援もあって、これをやり遂げようと毎日料理を作り、ブログを更新していく。

ジュリーのブログは少しずつ人気が出始め、ブログランキングでも上位に入るようになっていく。ジュリーは有頂天になるが、料理がうまくいかないと苛立ち、エリックにも八つ当たりをする。優しいエリックもあまりにも自己中心的なジュリーに腹を立て、ついには家を出てしまう。さすがにジュリーは大いに反省し、エリックに謝罪する。

ジュリーの記事がニューヨーク・タイムズに大きく掲載される。この反響は大きく、ジュリーのもとには多くの出版社から出版の依頼が入る。しかし90歳の誕生日にジュリアを取材したという記者から、ジュリアはブログのことを不快に思っていると聞かされ、ジュリーはすっかり落ち込んでしまう。そんなジュリーをエリックは優しく励ましてくれる。そしてついにジュリーは365日で524のレシピを作り上げる。

ジュリーは心の恩師でもあるジュリアと自分を支え続けてくれたエリックに心から感謝し、2005年にブログをまとめた「ジュリー&ジュリア」を出版する。