スリーパーズ 

 

Sleerers 

 ◆ジャンル/人間ドラマ*実話 ◆公開年/1997/04/12 
◆上映時間/147mins. ◆アメリカ映画 



復讐−それは血よりも濃い友情のあかし。

1967年、ニューヨーク。ヘルズキッチンに住む少年4人、マイケル、シェイクス、ジョン、トミーは仲良しだが、いたずらから人にけがを負わせて少年院へ。そこで残忍な看守ノークスとその同僚から暴行されたりレイプされたりと恐ろしい日々が続く。1981年、ギャングになったジョンとトミーは偶然ノークスと再会し、彼を射殺。検事として裁判を担当することになったマイケルは裁判を利用し、看守たちに復讐を遂げようとする。


ニューヨーク・デイリー・ニュースの元記者の書いた小説が全米を震撼させた。リアルでショッキングな内容は作者の体験に基づく実話として出され、出版界を越えて事実の信憑性が世間で大いに論議されることになった。「スリーパーズ」とは少年院に9ヶ月以上収容された人々をさす。

前半は、少年時代の友情が描かれる。大人たちは貧しくとも人情があり、少年たちも屈託がない。彼らを温かく見守るボビー神父役デ・ニーロの抑制をきかせた演技も光る。しかし、舞台が少年院に移ると一転して「ソドムの市」的世界に。おぞましい光景の中に浮かぶ少年たちの絶望と虚無の表情が、哀れを誘う。

後半は、法廷サスペンスの趣。復讐は陪審員制度を利用したものである。作品の狙いはあくまで人間の心の痛みであり、単純なハッピーエンドに終わらせていない。デ・ニーロ、ベーコン、アル中の弁護士ホフマン、街の顔役ビットリオ・ガスマン──。出番は少ないが、こういう名優がいたからこそ物語の厚みも出た。


■監督・脚本■バリー・レビンソン
■原  作■ロレンツォ・カルカテラ
■音  楽■ジョン・ウィリアムズ



キャスト
ジェイソン・パトリック/ブラッド・ピットケヴィン・ベーコンダスティン・ホフマンロバート・デ・ニーロ/ミニー・ドライバー/ダシュ・ミホク/ビリー・クラダップ/ブラッド・レンフロ/テリー・キニーロン・エルダード/ジョナサン・タッカー