パーフェクト・ストレンジャー 

 

Perfect Stranger 



ロウィーナ・プライスは、スティーブン・サックス議員がゲイの市民権を認めずに、自分は男と不倫していることを暴いた。新聞記者として明日の新聞にこのことを載せると言うと、弱みを握られたサックスは何でもやると言い出した。その言葉は、ロウィーナの相棒・マイルズが録音していた。ところが、ロウィーナは記事がボツになったと聞かされる。買収された不倫相手が口を閉ざしたのだ。新聞社には有能さを評価していると言われるものの、もみ消しに頭にきたロウィーナはそのまま辞職した。

 ロウィーナが幼馴染のグレースに会うと、彼女は記事になりそうなネタをくれると言い出した。広告屋の社長、ハリソン・ヒルを誘惑して取り入った彼女は、ハリソンについての資料を渡して去る。その翌週に、グレースの母親からロウィーナに連絡があった。娘と連絡がつかないのだと言う。ニューヨークで発見された溺死体がグレースではないかと言われ、ロウィーナは確かめに行くことにした。


 発見された溺死体はグレースだった。犯人は素人だと言う。ロウィーナは、グレースが恋人と喧嘩中だと聞いていた。自分が男の名前で記事を書いていることをグレースの母親が知っていたことには疑問を覚えるロウィーナだったが、グレースのためハリソン・ヒルを調査することに決めた。ロウィーナはキャサリンという偽名を使い、ハリソンの会社で働き始めた。

 グレースのチャット相手の「ADEX」がハリソンではないかと予想したものの、確証はない。ハリソンは浮気が妻にバレることを恐れており、妻の方もレズビアンの女性を使ってハリソンを見張らせている。ロウィーナはチャットを使い、ハリソンに接触することにする。マイルズからの報告で、グレースの死因が溺死ではなく毒殺だったことが判明した。また、死んだ時には妊娠三ヶ月だったという。この頃新聞社に戻ってこいと声をかけられるが、ロウィーナは曖昧な返事を返した。ロウィーナは、グレースがハリソンを浮気の件で脅したのだと予想した。


 ロウィーナの恋人だったキャメロンは、グレースの子供のDNA鑑定で警察に呼び出された。彼が父親の可能性があると聞き、ロウィーナは激怒した。マイルズの調査で、ハリソンの会社では人間の瞳孔の写真が大きく飾られていることがわかる。また、ベラドンナという薬物が瞳孔を拡大させること、ハリソンがベラドンナを入手可能であることを突き止めた。

 グレースを殺した確証を得るため、マイルズは新型スパイウイルスをロウィーナに渡し、ハリソンのパソコンに接触させる。USBメモリを持ち込みパソコンにウイルスを入れようとしたロウィーナだったが、パソコンにはウイルスの対策がしてあった。やはり何かを隠していると確信するものの、その場にハリソンが現れる。なんとか誤魔化して食事に行くことに成功したが、結局マイルズからの「他の方法でパソコンに侵入する」と書いたメールを見られてしまった。問い詰められてスパイであることを認めると、ハリソンはロウィーナをクビにするのだった。





 マイルズの家で、ロウィーナは異様な光景を目にした。自分の写真を使ったコラージュや加工されたマネキン、音声をはじめ、女性の写真のリスト。マイルズはロウィーナのストーカーだった上に、グレースとSMプレイをしていた。彼がADEXで犯人だと思ったロウィーナだったが、マイルズは否定。ハリソンの会社でベラドンナを栽培していることを突き止めたと話す。ロウィーナがADEXをチャットで呼び寄せると、現れたのはハリソンだった。ハリソンは数々の物証のおかげで、警察に逮捕された。

実はロウィーナは過去、虐待されていた自分の父を殺しており、そのことを知っているグレースにずっと脅されていた。母のいる施設からベラドンナを盗み、グレースを殺して、その罪をハリソンに着せたのはロウィーナだったのだ。マイルズが真相に気づいて詰め寄ったものの、ロウィーナはナイフでマイルズを殺害。「ハリソンは無実で、マイルズが真犯人」と電話で警察に通報した。