ワイルドシングス 

 

Wild Things 


フロリダ州の静かな港町ブルーベイ。地元高校の教師で進路指導教諭のサムはそのルックスの良さから女子生徒たちの憧れの的でした。ある日、サムに憧れを抱く大富豪の娘ケリーは洗車をすると偽ってサムの家に上がり込みました。

その翌日、サムはケリーの母サンドラから、ケリーがサムにレイプされたと訴えられます。この事はセンセーショナルな事件として街中を大きく揺るがす事態となり、嫌がらせを受けたサムは停職に追い込まれてしまいます。サムは無実を証明するため、頼りなさげだが頭の切れるボウデン弁護士に助けを求めます。

地元警察のデュケ刑事はレイプ事件を捜査する過程で、ケリーの同級生で不良少女のスージーが以前サムにレイプされたという証言を受けます。身柄を拘束されたサムは圧倒的に不利な状況の下で公判を受けることになります。しかし、公判の席でボウデンはスージーのこれまでの証言に辻褄が合わない点を指摘、スージーの証言が偽証であることを見破ります。


ヤケになったスージーは自らのレイプ被害が嘘であること、そしてケリーのレイプも狂言であったことを告白、見事に無罪を勝ち取ったサムはサンドラから示談金として 850万ドルを勝ち取ります。しかしサムは学校を辞め、裁判費用のカタで自宅を手放してモーテル暮らしを送っていました。

ある日、サムがモーテルに戻るとそこにはケリーやスージーの姿がありました。実はサムとケリー、スージーは最初からグルであり、サンドラから大金を騙し取るために手を組んでいたのです。三人は大金を得たことで喜びを分かち合います。

しかし、街中の人々がまんまとサムらに騙された中、唯一三人に疑いを持ったデュケは独自に捜査を開始します。デュケの捜査に恐れをなしたスージーはサムに助けを求めますが、スージーの自白を恐れたサムはスージーを海岸に呼び出して瓶で彼女を殴り、ケリーに手伝わせてスージーを沼に沈めました。

翌日、海岸からスージーのものと思われる血痕や歯が見つかり、スージーが何者かに殺害されたと断定されます。次にケリーが狙われると確信したデュケは彼女の屋敷を訪れますが、ケリーともみ合いになったあげくに射殺してしまいます。その際に負傷したデュケは正当防衛が認められるも独断捜査を咎められて免職になってしまいます。



後日、とあるリゾート地でサムは優雅な暮らしを送っていました。その場にデュケの姿もありました。実はサムとデュケは裏で手を組んでおり、スージーとケリーを殺して示談金を二人占めしようと画策していたのです。

しかし大金を独り占めしたいサムはデュケの殺害を企て、彼をヨットに誘い沖合に出ます。しかし、デュケはヨットに忍んでいたスージーに射殺されます。実はスージーはサムと組んで自らの死を偽装していたのであり、スージーは用済みになったサムを殺害します。




その頃、デュケの同僚の女性刑事は、スージーをよく知る人物から彼女がIQ200を超える天才児であり、何でも手に入れる人物だという証言を得ていました。海岸に戻ったスージーはボウデンから示談金を受け取り、いずこへと去っていきました。全てはスージーの計画だったのです。




登場してくるキャラクター全員がまったく信じられなくなるほど、誰が真実を語っているのか見分けがつかなくなるという、まさに薮の中状態ともいえる人間たちの騙しあいを主軸に、クールで軽やかなタッチで描いた犯罪劇。

”エンドクレジット”になっても最後の最後まで見続けることをお奨めします。全ての真相が以降に明らかにされますので――。