私の中のあなた 

 

My Sister's Keeper 


11歳の女の子、アナには白血病を患う姉のケイトがいました。アナは、ケイトの命を助けるためのドナーとして生まれてきた子供でした。両親は姉の命を救うために必死で、アナは幼い頃から、ケイトのドナーとなることを両親から強いられていました。アナは、そんな両親に反発し、自分の命を守るために、両親を訴えることを決意します。アナの強い想いに共感した弁護士は、アナの力になることを決めます。

アナが弁護士を雇ったことは、すぐに母親のサラの耳に入ります。サラは、姉の命を救うことを放棄したアナを責めますが、アナはドナーになることを毅然と拒否します。それでも、サラは、アナを説得しようと必死になりますが、父親のブライアンはアナの意思を尊重するようにサラをなだめます。しかし、サラは納得がいかず、弁護士事務所にも乗り込みます。一方、ケイトは、自分の存在が家族の幸せを犠牲にしてきたことを、つらく思っていました。

容体が急変し、入院しているケイトに、死は刻々と近づいていました。自分の命が長くないことを悟ったケイトは、ビーチに行きたいと言います。ブライアンは医者の許しを得て、ケイトをビーチに連れていこうとします。命の危険にさらされているケイトをビーチに連れていくことを知ったサラは逆上しますが、ブライアンは構わず、サラをおいてビーチに出かけます。そこで、家族は、久しぶりに幸せなひとときを過ごします。諦めたサラも、そこへ合流します。

サラは、アナが何かを隠していると感じていました。実は、アナに裁判を起こさせたのは他ならぬ姉のケイトでした。生きることに疲れた姉のケイトを自由にしてあげるために、アナは移植を拒否していたのでした。真実が明らかになった後、ケイトは、サラと2人きりで話をすることを望みます。ケイトは、サラに家族との思い出を綴ったアルバムを渡します。サラに自分の想いを告げたケイトは、その日のうちに息を引き取ります。その後、アナは弁護士から勝訴の連絡を受けます。ケイトは亡くなりましたが、家族の心の中に、ケイトは生き続けています。


【映画では書かれていない内容…】
一方、アナとケイトの兄ジェシーは、兄妹の中で自分だけ存在を無視されがちであったことから、家出して麻薬や放火などに手を染める非行少年となっていた。あるとき消防士であるブライアンは、息子のジェシーが放火の犯人であることに気づくが、事件を隠蔽した。やがてジェシーは更生して警察学校を卒業する。

アナはキャンベルの運転する車に同乗中事故に遭い、救急隊長でもあるブライアンが救助に駆けつけたときには、瀕死の状態になっていた。脳死状態となったアナの腎臓はケイトに移植され、それ以外にも多くの患者へアナの体の一部が提供された。腎移植は成功とは言い難いものであったが、ケイトはそれから奇跡的に回復し成人となり、バレエの教師を務めるほど寛解を維持している。

キャンベルは若い頃にてんかんを発病し、自分に付き合わせるわけにはいかないという彼なりの思いやりから、事情を伏せて当時の恋人と別れていた。以来、病気のことは両親にさえ隠し通しており、介助犬(キャンベル自身にもわからない発作の予兆を捉え、吠えて知らせる。それによりキャンベルは発作に備える時間的余裕を持つ)を連れている理由について人に問われても明確な説明をせずにいる。

物語の終盤、裁判中に介助犬が発作の予兆を知らせるが、キャンベルはアナの極めて重要な証言を聞き逃すまいとするあまりに休憩を取らず、法廷内で発作を起こす。それによりかつて恋人であったジュリア(裁判所が任命したアナの訴訟後見人)は彼が自分との別離を選んだ本当の理由を知る。映画では、キャンベルは介助犬の知らせで判事に休憩を申し入れるが、審議を遅らせたくないという理由で却下されてしまう。