カレンダー・ガールズ 

 

Calendar Girls 


イギリスはヨークシャーのとある古風な田舎町。町の婦人会に参加するクリスとアニーは、いつでも一緒の大親友だ。婦人会で行われるのはケーキ作り大会やブロッコリー栽培についての講演。そのようなことに全く興味のないクリスとアニーは、婦人会での活動に飽き飽きしていた。

クリスはアニーの夫のジョンに、婦人会での講演を依頼する。ジョンは講演会で女性を花にたとえ、「女性は盛りを過ぎてもなお、美しく咲き誇る」と語ってくれた。そんなジョンが、白血病で入院、亡くなってしまう。最愛の夫を亡くし、アニーは悲しみにくれた。

落ち込んでいるアニーを励まそうと、クリスはとんでもないアイディアを思いついた。毎年婦人会で作成しているカレンダーの写真を、今年は風景などではなく自分たちのヌード写真にしようと言うのだ。そして、カレンダーの売り上げで、ジョンが入院していた病院にソファーを寄付しようという計画だった。アニーはその計画に乗ってくれたが、もちろん婦人会はいい顔をしない。


最初は誰も理解を示してくれなかったが、だんだんと婦人会のメンバーの中に、参加を申し出てくれる仲間が現れてきた。クリスたちは勝手にカレンダー作りに取り掛かり、カメラマン探しに奔走する。納得のいくアマチュアカメラマンをようやく見つけ、撮影が始まった。少女のようにわいわいキャッキャと騒ぐ主婦たち。最初は彼女たちを見ないようにしていたカメラマンも芸術意欲に火が付いたのか、家庭とひまわり(ジョンが好きだった花)をイメージに、上品なヌード写真を撮っていく。一方近くのパブでは彼女たちの夫らが集まり、うなだれて酒を飲みながら待っていた。

クリスとアニーはカレンダーの発行を認めてもらうため、婦人会本部へ向かう。婦人会の総会でスピーチをし、婦人会長にヌードカレンダーのアイディアをなんとか承諾してもらった。

できあがったカレンダーを宣伝するため、クリスたちは地元記者を呼んで発表会を行うことにする。しかし、部屋に着くと記者たちは誰もいない。がっかりするクリスたちだったが、実は会場が変更になっていたのだと知り驚く。案内された会場には、予想を大きく上回る数の記者が、「主婦のヌードカレンダー」という話題を聞いて集まっていたのだ。


宣伝や口コミが広まり、クリスたちのヌードカレンダーはヨークシャーのみならず、イギリス中で大売れだ。アニーの元には励ましの手紙がたくさん届いていた。さらには海外にまでその話が伝わり、ハリウッドからもお誘いがかかるほどに。クリスはあまりの展開に大はしゃぎだが、夫のロッドや息子のジェムは複雑な心境だった。特に思春期のジェムは母のヌードに反発し、非行に走ろうとする。ロッドもその心境を見知らぬ人にこぼしたばかりに、それを記事にされてしまった。クリスとロッドは記事の内容や息子のことで夫婦げんかをしてしまう。

ハリウッドでの取材やCM撮影のため、クリスたちはアメリカに飛ぶ。クリスはロッドとけんか別れしたままだった。セレブ級の扱いを受け、有名人に会ってはしゃぐクリスたちだったが、アニーは浮かぬ顔。CM撮影にのぞむが、そこでヌードでの撮影を要求されてしまう。だんだんと「病院への寄付のため」という当初の趣旨からずれてきていることにアニーは怒り、クリスと大げんかになってしまった。


クリスとアニーの間の亀裂は修復されぬまま、クリスたちはヨークシャーに帰ってきた。その足で婦人会に向かったクリス以外の面々は、皆から歓迎の嵐で迎えられた。ロッドがクリスを迎えに来ていた。クリスは自分の非を認めロッドに謝るが、ロッドは彼女が思う以上にクリスの事を理解していた。ロッドはヌードカレンダーをつくろうとするクリスの事を尊敬し応援していたし、ジェムにも、それを誇りに思うように伝えたのだと言う。ロッドはまた、クリスとアニーのすれ違いも心配していた。ロッドに励まされたクリスは、アニーと仲直りするため婦人会へ向かう。

婦人会では、カレンダーの売り上げが28万ポンド以上になったことが知らされていた。婦人会についたクリスは、アニーと顔を合わせる。2人は無言で見つめ合いながら、言葉などなくても互いの気持ちを察していた。2人は仲直りを遂げた。