今度は愛妻家 

 

A Good Hasband 

 ◆ジャンル/ラブ*ファンタジー ◆公開年/2010/01/16 
◆上映時間/131mins. ◆日本映画 



夫婦には「さよなら」の前に、やらなければならないことがある。

かつては売れっ子カメラマンだった北見俊介だが、今は写真も撮らずにダラダラと呑気な毎日を送っている。一方、健康オタクの妻さくらは、そんな夫に文句を言いながらもかいがいしく世話を焼く日々。しかしあるとき俊介は、友だちと箱根旅行に行く直前のさくらに“子どもを作る気がないなら、別れて”と切り出される。その場はごまかしたものの、さくらと入れ代わりでやって来た女優志願の蘭子といいムードになったところに、たまたま引き返してきたさくらが現われ、いよいよ愛想を尽かされる。その後、旅行に行ったさくらはなかなか戻らず、最初こそ独身生活気分を満喫していた俊介だったが──。


ぐうたらで愛情表現の下手な夫と、明るく世話焼きな妻。そんな2人が結婚10年目にして迎えたある局面を、時にコミカルに時に切なく描き出した、ファンタジックなラブストーリー。2002年初演の同名舞台を行定勲監督が良質で大人の楽しめる映画へと見事に転換させた。俊介とさくらの会話は非常にテンポよく、やりとりを聞いているだけでも楽しい。また、その楽しさの隙間にペーソスを挟みこみ“日常の幸せ”を浮かび上がらせている。主演の豊川悦司、薬師丸ひろ子はそれぞれのキャラクターを生き生きと表現。オカマ役の石橋蓮司らも光る演技を見せる。ストーリーの妙味も手伝って、観た後にもう一度観たくなる作品に仕上がった。


■監  督■行定勲
■脚  本■伊藤ちひろ
■原  作■中谷まゆみ
■主題歌■井上陽水『赤い目のクラウン』


キャスト
豊川悦司/薬師丸ひろ子/水川あさみ/濱田岳/城田優/石橋蓮司