***ネタバレ知りたくない方はご注意ください*** 


 

**上弦の肆・鳴女**

鬼舞辻無惨の側近を務める女の鬼。長い黒髪で顔の半分を隠しており、その下は不気味な一つ目である。

半天狗が死亡した後、上弦の肆の座についた鬼。無惨の根城である「無限城」の管理者でもあります。琵琶を鳴らすことで無限城を自在に変形させ、城自体を武器にして戦います。索敵能力に長けた無限城の管理者。

初登場は無惨による下弦の鬼達の解体の時。自身の血鬼術で敗死した累以外の下弦の鬼達を無限城に召喚した。
 

 
**血鬼術『異空間・無限城』**
無惨の本拠地である「異空間・無限城」を作り出している主である。
無限城の空間そのものを作り出し、琵琶を鳴らす事で自在に移動・操作する事が可能で、任意の相手を自在に召喚したり逆に目的地へと送り込む事ができる。この力を使って、十二鬼月の面々を無限城に召集する役目も担っている。また、城内の空間を自在に変転させる事も可能。

直接の攻撃性や殺傷力は低い能力だが応用が効きやすく、守りや逃げに使われると柱単独でも敵わない。何より無限城内の全てを彼女の意のままに操ることが可能で、伊黒小芭内からは「煩わしさと厄介さは随一」と評されている。

上弦の鬼となってからは、自身と同じく「肆」の文字が目に刻まれた使い魔を用いた探知探索の血鬼術を新たに習得しており、鬼殺隊士達の動向の調査と、禰豆子の居場所を捜索する役目も果たすようになっている。
 

 
**鳴女の過去**
人間だった頃から琵琶奏者であったが無名で暮らしは貧しかった。ある日、博打狂いの夫によって一着しかない演奏用の着物を売られた事に逆上し、金槌で夫を殴り殺す。

そのままぼろぼろの普段着で客の前に出て、客から好奇の目で見られる中、強張って震える手で演奏したところその音色を称賛される。その為これ以降は演奏前に人を殺して、殺した指で琵琶を演奏する事に拘るようになった。実際にその演奏で、琵琶奏者としての評価を上げていった。

そして後に、演奏前の殺人のターゲットとしてたまたま無惨を襲い、当然ながら返り討ちにされたのだが、そこで逆に気に入られて鬼にされたという経緯である。
公式ファンブック『鬼殺隊最終見聞録・弐』
 

**元/上弦の肆・半天狗**
 
半天狗は、常に何かに怯えるか弱い老人のような鬼です。しかしその血気術は凶悪で分身体を4体生み出し、それぞれが違う能力で敵を圧倒します。

半天狗本体はネズミほどの大きさであり、倒すには4体の鬼の動きを止めた上で本体の首を切る必要があります。それゆえ隊士1人で半天狗を倒すのはほぼ不可能であり、厄介さは随一です。
 

 
**血鬼術 『分裂能力』**
頚を斬られると分裂して若い頃の自分を模した分身を生み出す血鬼術。そのカラクリは本体の半天狗が強いストレスにさらされ、窮地に陥いれば陥いる程にそれぞれの感情に対応した凶悪無比な分身体が次々と生み出されるというもの。

舌に喜怒哀楽の文字が刻まれた4人の分身は鬼というよりも血鬼術が生み出した産物であり、
・空を自在に飛び音波攻撃を放つ空喜
・錫杖から電撃を繰り出す積怒、
・三叉槍の使い手の哀絶、
・八つ手の葉の団扇で突風を起こす可楽
を生み出したが、これはあくまで半天狗が「これくらいいればだいたいの鬼狩りは殲滅できるだろう」と考えた結果に過ぎず、必要とあらば喜怒哀楽鬼を複合させた憎珀天、相手を欺く為の恨の鬼まで即座に生み出している。
分身体は、それぞれが上弦の鬼特有の高速再生能力と固有の血鬼術を有しており、生み出されると即座に戦線に参加してくる。

上弦級である4体をさらに斬った場合も、斬られた鬼を母体とした小さな分身体が増えてゆくが、その分攻撃の威力が落ちて弱くなる。
頚を斬っても死なずに分裂し、いくら攻撃しても絶対に倒せない。なので鬼の急所であるはずの頚を斬られる事にも頓着せず、むしろあえて斬らせようとさえしており、そうしてひたすら増え続ける事で相手に延々と多対一の消耗戦を強いていくのである。

その厄介さは理不尽な血鬼術を操る上弦の鬼達の中でも群を抜いており、特殊な探知能力で本体を見つけださなけば、たとえ柱であっても単独での討伐は実質不可能である。
 

**上弦の伍・玉壺**
 
人間の部位を切り分けて接ぎ直したような姿をした異形の鬼。壺に身を潜め、壺から壺へ自由に瞬間移動することができます。壺と魚を操る異形の鬼。

血気術で魚類の化物や毒を持つ粘魚を1万匹以上生み出し、その数と質で鬼殺隊士を圧倒します。

戦闘能力はさることながら、索敵能力にも長けており、戦闘外でも活躍します。また、壺を高値で売り資金源にするなど、他の鬼にはできない手段で、鬼舞辻からの信頼を得ています。
 

 
**玉壺の過去**
公式ファンブックによると本名は益魚儀(まなぎ)といい、漁村出身の人間であり、彼の血鬼術や壺が魚をモチーフにしているのは、人間の頃から魚を捕まえて遊んでいたからとの事である。

ただし当時から異常な感性が見られ、動物をいたずらに殺し、違う魚同士を縫い合わせ、壺に鱗や骨を溜めたものを「芸術」だと宣うといった奇行を繰り返していた為に、周囲からは忌み嫌われて孤立していたという。

だが彼は早くに両親を喪った(漁に出ていた両親を海難事故で亡くした)事もあり、村人たちは「両親を亡くした事で気が触れたのではないか」と考え、気味悪がりながらも追い出すような事はせずに静かに見守っていたとのこと。

そして益魚儀の両親は損傷の激しい水死体で発見されたが、これを悲しむどころか美しいと感動すらしており、それ以来異常な嗜好に目覚めてそういった歪な造形物に手を出すように。遂には自身をからかいに来た子供を惨殺して、その死体を壺に詰めるという猟奇殺人にまで手を染める。

それを知った子供の親は激怒し、益魚儀は報復として二又銛で串刺しにされ、瀕死の状態で放置されていた。そこをたまたま通りかかった無惨によって鬼にされた後は、子供を積極的に捕食し、人間や自分の体の改造を好むようになったとの事。
 

**上弦の陸・獪岳**
 
我妻善逸の回想にて存在が示唆されていた彼の兄弟子で、元“柱”の桑島慈悟郎の下で共に雷の呼吸の流派の修行を積んでいた間柄。

黒死牟によって鬼となり、鬼舞辻無惨配下の精鋭、十二鬼月の一人として登場。敗死した堕姫と妓夫太郎に代わって「上弦の陸」の数字を与えられ、その席位に従い右目に「上弦」、左目に「陸」の文字が刻まれていた。無限城での決戦にて、対面を望んでいた善逸と遂に対峙する。

慈悟郎も善逸に「獪岳を見習え!!」「兄弟子のようになれ!!」と檄を飛ばし、善逸も獪岳を嫌ってはいたものの、自分とは違いひたむきな彼を尊敬していた。そして、その背中を見ていつか肩を並べて共に戦うことを願っていた。

獪岳は決して”良い兄弟子”ではなかった。その本性は「自分の才能を正しく評価する者が善で、自分を正しく評価できない(しない)者が悪」と口にした傲慢さにも現れている。鬼になってまだ間もないのもあってか、人間時代の記憶はハッキリと保っている。


 
**獪岳の過去**
彼は“岩柱”悲鳴嶼行冥が心を閉ざした原因である。
かつて、悲鳴嶼が多くの孤児と共に住んでいた頃『ある子供が、言いつけを破って夜に出歩いていた時に鬼と遭遇し、自分一人が助かるために鬼に悲鳴嶼と他の子供達を売った』という事件が起こった。

その回想シーンで、ビジュアルの類似性と身勝手な行動から、その時の子供こそ、慈悟郎に拾われる前の獪岳本人である。
【原作】17巻第145話「幸せの箱」

事件の真相は「寺の金を盗んだことが他の子供達にバレて責め立てられ、その日の夜に追い出され、遭遇した鬼に彼らを売った」というものであった。
子供達は悲鳴嶼に相談もなく追い出した後ろめたさからか獪岳は寝ていると嘘をつき、悲鳴嶼自身も目が見えないこともあり鬼に言われるまで獪岳がいない事に気づかなかった。

獪岳の運命の分岐点は十二鬼月最強の鬼、"上弦の壱"黒死牟に遭遇してしまった事――。
良くも悪くも一般人的な感性を持っていた彼にとって、黒死牟の存在は目にするだけで恐怖と絶望感を与えるものであった。その圧倒的な力に追い詰められて彼に土下座をしてまで命乞いをした結果、それを聞き入れた黒死牟によって提案されたのは鬼への勧誘。そして獪岳は恐怖に震えながら無惨の血を摂取した結果、その歪んだ本性を無惨に認められて人を貪る鬼へと変貌してしまった。

善逸との戦いでは、雷の呼吸に加えて鬼化で得た相手の体を崩壊させる血鬼術を組み合わせた技で、善逸に致命傷に近い傷を負わせる。しかし、善逸が他ならぬ「いつか獪岳と肩を並べて戦うため」に編み出した漆ノ型によって頚を刎ねられ敗北。