鬼滅の刃-立志編
~浅草編~








第1話「鬼を連れた剣士」
→【原作】2巻10話『人攫い沼』~11話『暗示』
鬼殺隊の隊服に身を包んだ炭治郎。腰に日輪刀を携え、禰豆子が入った鱗滝特製の木箱を背負い、鬼殺隊の初任務として毎夜少女が失踪しているという北西の町に向かう。

事件が起きている町に赴き、被害に遭った少女の婚約者である和巳と協力した結果、一連の事件の犯人である沼鬼の存在を突き止める炭治郎。



第2話「鬼舞辻無慘」
【原作】2巻12話『言えない』~13話『お前が』
三人に分裂した鬼が炭治郎を追い詰める。そのとき襧豆子が鬼に襲い掛かった。鬼になってしまった妹は守らなければいけないほど弱い存在ではない――。意を決した炭治郎は、分裂した鬼のひとりを追い、地面に広がる沼へ飛び込む。沼鬼の血鬼術に苦戦するも、禰豆子の協力もあってこれを討ち取ることに成功する。

しかし肝心の“鬼を人間に戻す方法”については手掛かりすらつかめず、それに落胆する間も無いまま次の任務が与えられる。



第3話「幻惑の血の香り」
【原作】2巻13話『お前が』
      ~14話『鬼舞辻の癇癪・幻惑の血の香り』

新たな任務を受け、浅草へと赴いた炭治郎。しかし当時日本でももっとも活気づいていた地域の一つであるそこは、夜だというのに右も左も人だらけで、田舎暮らしの炭治郎は目を回してしまう。

一度休憩しようと、禰豆子を連れてうどんの屋台に向かうも、そこで彼は忌まわしい匂いを嗅ぎ取る。かつて竈門家を襲った鬼のそれと同じ匂いが、浅草の町中から漂ってきたのである。
大急ぎで駆けつけた先にいたのは、妻子と共に仲良さげに歩く身なりの良い男だった。この男こそは鬼舞辻無惨、鬼の頭領にして炭治郎の家族の仇である。最大の敵を目の前にしながらも、完全に人間に擬態している無惨に人前では手を出すことができず、炭治郎は歯噛みする。

その様子から炭治郎が鬼殺隊の剣士であることに気付いた無惨は、彼がつけている先祖伝来の花札模様の耳飾りに目に留めると、近くにいた青年に己の血を流し込んで鬼へと変える。暴れ出した青年を取り押さえるので手いっぱいの炭治郎を尻目に、無惨は悠々とその場を立ち去るのだった。

暴れる青年を放っておくこともできないまま、騒ぎを聞きつけて集まってきた警官たちにも囲まれてしまう炭治郎。そんな彼に助け舟を出したのは、幻術を操る珠世という名の鬼だった。
その頃、無惨はカモフラージュのためだけに一緒に生活している妻子と別れ、朱紗丸(すさまる)と矢琶羽(やはば)という配下の鬼を呼び出していた。

無惨は最強の鬼ではあるものの、かつて花札模様の耳飾りの剣士に一方的に殺されかけたことがあり、「もしかしたら先ほどの剣士はヤツと何か関係があるのか」と案じていた。後顧の憂いを断つために、早々に炭治郎を始末することを目論んだのである。

無惨に命じられ、朱紗丸と矢琶羽は炭治郎を仕留めるべく出発する。



第4話「手毬鬼と矢印鬼」 
【原作】2巻15話『医師の見解』~16話『手毬遊び』
珠世は鬼でありながら無惨の打倒を志していた。鬼と化した青年をなんとか守ろうとする炭治郎に興味を持った珠世は、従者の愈史郎に命じて”目隠し”の術を施した屋敷へといざなう。

炭治郎と禰豆子が、愈史郎の案内で珠世の隠れ家に向かうと、そこは診療所のような施設になっていた。無惨によって鬼にさせられてしまった青年も、今はここで保護しているという。

そこで炭治郎は、珠世との会話から、鬼を人に戻す方法についての活路を見出すのだった。 鬼でありながら医者であり、鬼舞辻無惨を倒したいという珠世。彼女は200年生きており、愈史郎は珠世が鬼にしたのだという。だが200年かかって鬼にできてのは愈史郎ただ一人。

そのとき――炭治郎を追うふたりの鬼が屋敷の場所をつきとめ、猛烈な攻撃を繰り出す―。



第5話「ずっと一緒にいる」
【原作】3巻17話『矢印鬼』~19話『ずっと一緒にいる』
炭治郎が珠世の頼みを引き受けたその時、隠れ家の壁を突き破って朱紗丸と矢琶羽が一行を襲撃。二人は自らを「十二鬼月」の一員だと名乗り、炭治郎たちに猛攻を加える。

十二鬼月とは、鬼の中でも別格で強力な十二体からなる集団の名前だった。十二鬼月に数えられるほどの鬼の血であれば、珠世の研究も大きくはかどる。気合を入れ直して立ち向かおうとする炭治郎だったが、朱紗丸と矢琶羽の巧みな連携に翻弄されて苦戦を強いられる。

しかしそんな炭治郎を見て禰豆子が、そして愈史郎が助太刀に入る。数の差を引っ繰り返した炭治郎たちは、なんとか戦況をほぼ五分と五分にまで持ち込む。

朱紗丸の相手を禰豆子たちに任せ、単身で矢琶羽と戦う炭治郎。相手の使う血鬼術・紅潔の矢に苦戦するも、なんとかこれを攻略して矢琶羽の首を切り落とす。ほぼ同時に、朱紗丸も珠世の幻術に惑わされて無惨の名を口にしてしまい、彼が“配下の鬼たちが絶対に反乱を起こせない”ように施した呪いによって五体を粉砕されて絶命する。

「十二鬼月に勝った」と喜ぶ炭治郎だったが、珠世は「十二鬼月がこんなに弱いはずがない」とそれを否定。実際に朱紗丸たちは無惨に少し強化してもらっただけの普通の鬼であることが判明し、炭治郎は肩を落とす。

それでも、これまでまったく光明の見えなかった「禰豆子を人間に戻す」という話に、明確な指針ができた。「よければ禰豆子を預かろうか」という珠世の申し出を感謝しつつも断ると、炭治郎は「もう二度と家族の手を離したりはしない」と改めて誓いながら、次なる任務へと赴くのだった。