鬼滅の刃−遊郭編







第1話「音柱・宇随天元」

【原作】8巻67話「さがしもの」〜70話「人攫い」

ある製薬会社に跡取りとして養子に入った優秀な子供がいた。
そこに上弦の参・猗窩座が登場。この子供の正体は姿を変えた無惨。「“青い彼岸花”は見つかりませんでした。」その報告に対して「で?」と威圧する無惨。猗窩座は「柱を始末しました」と報告するが無惨の怒りが爆発。
「鬼が人間に勝つなど当たり前のことだ!あの場にはまだ3人の鬼狩りがいた、なぜ始末して来なかった?猗窩座、猗窩座、猗窩座、猗窩座!!」あまりの威圧感に吐血する猗窩座。「お前には失望した…柱でもない剣士に一撃を食らわされるとは。上弦の参も墜ちたものだな。下がれ!!」

猗窩座は怒りのまま、無限列車の戦いで炭治郎に投げ込まれた日輪刀を粉々に破壊する。「貴様の顔…覚えたぞ小僧。次会った時はお前の脳髄をぶちまけてやる!!!」
蝶屋敷で療養生活を送っていたが、煉獄杏寿郎の死から立ち直れず落ち込んでいました。善逸は炭治郎を励まそうとしますが、炭治郎は煉獄杏寿郎の最期の言葉を伝えるべく煉獄家に向かっていました。

その時、煉獄杏寿郎の父親、槇寿郎が家の奥から出てきて、炭治郎と千寿郎に酷い言葉を浴びせます。杏寿郎には大した才能はなかったと、槇寿郎は酒を飲みながら言うと、炭治郎に出ていくように言いかけますが、炭治郎の耳飾りを見て表情を一変させます。

槇寿郎は炭治郎が始まりの呼吸、“日の呼吸”の使い手だと一方的に決めつけると、炭治郎を地面に無理やり押さえつけます。槇寿郎に杏寿郎の悪口を言われ、聞いたこともない“日の呼吸”の使い手だと言われ、炭治郎は感情的になってしまい、槇寿郎に回転しながら頭突きをくらわしてしまいます。

その後、千寿郎に室内に案内された炭治郎。「やってしまった…」と落ち込み千寿郎に謝る。「お兄さんは最期まで立派に戦いました」と報告する。
千寿郎は「歴代炎柱の書」を見せる。だが、肝心な部分がずたずたで読めない__槇寿郎が破いてしまったのだろう。結局、ヒノカミ神楽について手がかりを得ることは出来なかった。謝る槇寿郎に炭治郎は自分がこれからやるべきことを伝える。炭治郎の去り際、千寿郎は「きっとあなたを守ってくれます」と兄の形見となった日輪刀の鍔(つば)を託す。


 
その後、千寿郎は父に炭治郎から聞いた兄の最期の言葉を伝える。「体を大切にして欲しい。兄上が父上へ遺した言葉はそれだけです。」息子のことを思い出しながら槇寿郎は大粒の涙を流すのだった。
炭治郎が蝶屋敷に戻ると鋼鐵塚が包丁を手に待ち構えていた。鋼鐵塚は「刀を失くすとはどういう料簡だ、貴様あぁ!万死に値する!!万死に値するぅ!!!」と炭治郎を追いかけ回す。2人の鬼ごっこは夜明けまで続いた。

翌日、朝食を食べる炭治郎達。アオイが仲裁に入ってくれなかったらまだ追いかけられていただろう。ちなみに鋼鐵塚は好物のみたらし団子を食べて機嫌を直したという。
そして煉獄の死から四カ月。
炭治郎達は任務をこなしつつ、鍛錬を積む。炭治郎は山寺に出た鬼を討伐する単独任務。妹の禰豆子と共に手足が鎌になった蜘蛛の鬼を撃破する。

任務を終えた炭治郎が蝶屋敷に戻るときよちゃんが「人さらいです」と大騒ぎ。なんと音柱・宇髄天元がアオイとなほちゃんを連れ去ろうとしていた。カナヲに助けを求めるアオイ。相手は上官であり、カナヲは銅貨を投げて決めようとする。だが、炭治郎に言われた「心のままに」という言葉を思い出し、宇髄を止めようとする。「何とか言えっての!!地味な奴だな!!」とキレる宇髄。炭治郎は「女の子に何してるだ!手を放せ!!」と頭突きをお見舞い。だが、相手は現役の柱、あっさりとかわされてしまう。

今度の任務に女の隊員が必要という。きよちゃんが「なほちゃんは隊員じゃないです」というと、宇髄は「じゃいらね」と彼女を放り投げる。アオイは役に立ちそうにないが一応連れて行くという。「アオイさんの代わりに俺達が行く!!」と炭治郎。善逸と伊之助も合流する。

次なる任務の場所は___
日本一色と欲に塗れたド派手な場所、鬼の棲む遊郭。



第2話「遊郭潜入」

【原作】9巻71話「遊郭潜入大作戦」
      〜72話「お嫁さんを探せ」

 炭治郎、善逸、伊之助は音柱・宇髄天元の任務に同行、鬼が棲むという遊郭へと向かうことになる。

宇髄天元から神として扱うように言われ、三人は宇随天元に圧倒されます。善逸は宇随天元の発言に引いてしまいますが、炭治郎は真面目に質問をして見込みがあると宇随天元に褒められます。

宇随天元と炭治郎達は遊郭の下見をした後、遊郭に潜入する前に準備を整える為藤の家に向かいます。藤の家で宇随天元から自分の嫁を探すように言われ、善逸は冗談だと思い宇随天元に怒りますが、宇随天元から俺には嫁が三人いると真面目に言われます。宇随天元の嫁は遊郭に潜入して、鬼の情報収集をしていました。
地味だが変装して遊郭の内部に潜入。すでに怪しい3つの店に絞り込んでおり、「ときと屋」の須磨、「荻本屋」のまきを、「京極屋」の雛鶴を探して貰うという。

荻本屋に就職が決定した伊之助は、宇随天元の嫁「まきを」を探すように言われますが、荻本屋の遣手からは厚化粧を落としたら美形の子だったと喜ばれます。

京極屋に潜入した善逸は、善子として宇随天元の嫁「雛鶴」を探すはずでしたが、最後まで売れ残り、宇随天元からはいい加減に扱われたため、当初の目的を忘れてしまいます。善子は吉原一の花魁になって、宇随天元を見返してやると固く決意します。

ときと屋に潜入した炭治郎は、炭子として宇随天元の嫁「須磨」を探します。荷物を運んでいた炭子は、「須磨」花魁が足抜けしてときと屋から逃げたという噂を聞きます。

荻本屋に潜入している伊之助は、宇随天元の嫁「まきを」が具合が悪く部屋に閉じこもって出て来ない、という話を耳にします。伊之助はまきをの様子を探ろうと、まきをの部屋に行こうとしますが、宇随天元から声が太いので喋ったらすぐバレるから喋るなと言われています。伊之助にとっては慣れない着物も着ているため、本調子が出ず気配も上手く探れません。

炭子は「足抜けは人を食らう鬼にとっては都合がいい。日記も偽装だろう」と考える。とにかく須磨の行方を探すのが先決だ。



第3話「何者?」

【原作】9巻73話「追跡」〜74話「堕姫」
「荻本屋」に潜入していたまきをは鬼に捕まってしまう。まきをは「情報を伝えなくては」と宇髄と連絡を取る方法を考える。

「京極屋」に潜入中の善逸。
“花魁になる”ではなく、ようやく本来の任務を思い出し耳を済ませる。雛鶴の情報はないが、泣き声が聞こえてきた。

鬼は誰かが来る気配を感じ、「騒いだらお前の臓物を捻り潰すからね」と帯の力を強める。部屋の近くまで来た伊之助。「ぬめっとした気持ち悪い感じはするが__」と部屋に突入。
だが、すでにまきをと鬼の姿はない。伊之助は天井裏から気配を感じ音を頼りに追いかける。殴りかかるが拳は客の男の顔面に炸裂。鬼は下に逃げたようだが気配を見失ってしまった。

善逸が急いで向かうと、思った通り女の子が泣いており部屋の中は無茶苦茶になっていた。善逸は事情を聞こうとしたが、背後にぞっくと嫌な気配を感じる。「人の部屋で何やってんだい?」後ろには「京極屋」No1の花魁蕨姫が立っていた。

「鬼の音だ。今後ろにいるのは鬼だ、人間の音じゃない。声をかけられる直前まで気づかなかった。音やばいんだけど、静かすぎて逆に怖いんだけど。これ上弦の鬼じゃないの?」さらに善逸は「女の子が泣いていて、部屋も滅茶苦茶だったので」と返す。蕨姫は「部屋は確かにめちゃくちゃのままだね、片付けるように言ってんだけど」と泣いていた女の子の耳を引っ張る。女の子が傷つけれられるのは黙っておけない。「手、離してください。」と善逸は蕨姫の手を掴み静止する。
炭治郎たちが潜入する2日前の「京極屋」
女将のお三津が蕨姫と話をしている。No1だから蕨姫の傍若無人な振る舞いに今まで目を瞑っていたが、もう限界だった。だが、蕨姫は聞く耳を持たない。お三津は続ける。
「ずっと昔、アタシがまだ子供の頃聞いたことがあるのよ、茶屋のお婆さんに。ある花魁の話をした。もの凄い別嬪だったけどもの凄い性悪で。気に食わないことがあると首を傾けて下から睨めつけてくる独特の癖があったって...」目の前にいる蕨姫の仕草は昔話に出てくる花魁にそっくりだ。そう言いかけた瞬間、蕨姫は帯でお三津の頭を掴みはるか上空へと連れて行く。蕨姫の目には上弦の陸の文字。お三津は地面に叩きつけられて、命を落としてしまう。

蕨姫が部屋に戻るとそこには無惨がいた。無惨は蕨姫の顔に手をやり、語りかける。「随分人間を喰ったようだな、以前よりもさらに力が増している、良いことだ。しかし油断するな、うまくことが進んでいる時程足は掬われやすい。堕姫、私はお前に期待しているんだ。お前は誰よりも美しい、そして強い柱を七人葬った。これからももっともっと強くなる、残酷になる、特別な鬼だ。」蕨姫の正体は上弦の陸・堕姫。
現在の「京極屋」
「気安く触るんじゃないよ。躾が要るようだね」と善逸は堕姫に吹き飛ばされてしまう。そこに「京極屋」の主人が現れ、「この通りだ頼む、勘弁してやってくれ」と堕姫に土下座をする。堕姫は「私の方こそご免なさいね。最近ちょいと癪に障ることが多くって、当たりすぎたね」と言い、不敵な笑みを浮かべて去っていった。

「あのガキ、この感触からすると軽症だね。失神はしているけれども受け身を取りやがった、一般人じゃない。鬼殺隊なんだろう、でも柱のような実力は無い。少し時間がかかったけど上手く釣れてきたわね。どんどんいらっしゃい、皆殺して喰ってあげる。」

「ときと屋」に潜入中の炭治郎は「濁った匂いがする。この街の夜は濁った匂いがする」と嫌な気配を感じ取っていた。

一方、善逸が目を覚ます。女の子たちは善逸にお礼を言って去っていく。その瞬間、無数の帯が迫り善逸は攫われてしまった。



第4話「今夜」
【原作】9巻75話「それぞれの思い」
     〜 76話「それぞれの場所で」

鬼の棲む遊郭に潜入捜査をしていた炭治郎たち。
だが、「京極屋」に潜入していた善逸が行方不明となってしまった。知らせを受けた「京極屋」の旦那は「蕨姫花魁の気に障るようなことをするからだ、善子もお三津も」と切り捨ててしまう。

昼間、伊之助は炭治郎に自分のところに鬼がいると主張。炭治郎は「善逸からの定期連絡がそろそろ来るから」となだめようとする。だが、宇髄は「善逸は来ない」と言い切る。炭治郎は任務を続行しようとするが、宇髄に「恥じるな、生きてる奴が勝ちなんだ。機会を見誤るんじゃない」に諭されてしまう。

「自分の階級が一番低いから信用されていないんだ」と気落ちする炭治郎。伊之助は現在の自分たちの階級に付いて説明。伊之助が「階級を示せ」と拳を握ると手の甲に“庚”文字が。下から四番目だ。“藤花彫り”と呼ばれる技術で最終選別試験の後に施されていたが、炭治郎は疲労から覚えていなかった。
 
炭治郎は自分のいる調べ終わり、夜になったら伊之助と合流することに。夜の間、店の外は宇髄が見張っており、鬼は内部の人間に化けている可能性が高い。それに夜は仕事があるのだから、迂闊には動けない。善逸も宇髄の嫁もまだ生きている可能性が高い、とする。伊之助は「お前が言ったことは全部な、今俺が言おうとしてたことだぜ」と同調する。
その夜、炭治郎は鯉夏の元を訪れ、男であると正体を明かす。ただ、鯉夏は炭治郎が男であることはとっくに気づいていた。それでも行方不明となった須磨を心配している気持ちは伝わっていた。炭治郎は鯉夏にお辞儀をして部屋を後にする。

その後、鯉夏は背後に気配を感じ「忘れ物?」と振り返る。そこにいたのは堕姫。炭治郎は鬼の嫌な匂いを感じる。


一方、伊之助は炭治郎が来ないことに苛立ち、一人で向かうことにする。天元の使いであるムキムキねずみから刀を受け取り、いつもの格好に着替えて準備万端。

宇髄は「京極屋」の旦那の元へ。
宇髄は背後からクナイを首に押し当て「善子と雛鶴はどうした?簡潔に答えろ」と尋問。恐怖で返答ができない旦那に宇髄は続ける。旦那の頭に妻のお三津の顔がよぎる。「善子は消えた。雛鶴は病気になって切見世へ。蕨姫という花魁だ、日の当たらない北側の部屋にいる。」
宇髄が急いで向かうもその姿はすでになかった。その後、鬼の気配を探りつつ、雛鶴の元に向かう。
炭治郎は堕姫と対面する。
「鬼狩りの子?来たのね、そう。柱じゃないわね、弱そうだものね。柱じゃない奴は要らないのよ、わかる?」と余裕の態度の堕姫。鯉夏の体は堕姫の帯に取り込まれていた。怪我はしていないようだがただ事じゃない。斬りかかるも炭治郎は堕姫に弾き飛ばされてしまう。炭治郎は堕姫の血鬼術は帯を自在に操り、人を閉じ込めると分析。隙間さえあれば、自由に建物内に出入りできるはずだ。

禰豆子を背をっている肩紐が千切れてしまう。炭治郎は「箱から出るな。自分の命が危ない時以外は」と言い、箱を下ろして戦うことに___。