鬼滅の刃−遊郭編






第5話「ド派手に行くぜ!!」

【原作】9巻77話「轟く」から10巻80話「価値」

音柱・宇髄天元は切見世に追い出された雛鶴の元に向かう。蕨姫の正体が鬼だと気づいた雛鶴はワザと毒を飲んで魔の手から逃れようとした。だが、帯を渡され監視、拘束されてしまっていた。宇髄は雛鶴に解毒剤を飲ませて、「吉原から出ろ」と告げる。
その後、天元は地面の下から誰か戦っている音を聞き取る。宇髄は二刀流の太刀で強力な爆発を引き起こす。
一方、炭治郎は蕨姫の正体である堕姫と激突。堕姫は爆発音に気づく。堕姫は炭治郎の日輪刀がすでに刃こぼれを起こしていると指摘、罵る。炭治郎は自分の未熟さを感じる。
「俺の場合、一撃の威力はどうしてもヒノカミ神楽の方が強い、体に合っているんだ。でも、その強力さ故に連発ができなかった。今は違う!!」炭治郎はヒノカミ神楽を連発していく。

負けるな、燃やせ、燃やせ、燃やせ。
心を燃やせ!!
『ヒノカミ神楽 烈日紅』で堕姫の帯を切り落とす。さらに『ヒノカミ神楽 炎舞』を放つ。堕姫は「たいしたことないわね。所詮この程度よ」と帯で反撃。だが、炭治郎の姿はない。『ヒノカミ神楽 幻日虹』は高速の捻りと回転による舞。視覚の優れた者ほど残像が見えてしまう。

『ヒノカミ神楽 火車』を繰り出そうとしたが、「遅いわね、欠伸が出るわ。」弾き飛ばされてしまう炭治郎。ヒノカミ神楽を連発したせいで疲労が蓄積、受け身を取ることが出来なかった。そこに堕姫が畳み掛け、炭治郎はなんとかかわしていく。「隙の糸が見えてもすぐに切れてしまう。俺の攻撃が遅いんだ。体温を上げろ、もっと体温を上げろ。」

「戦えてる、上弦の鬼と。ヒノカミ神楽なら通用するんだ。いや、通用するだけじゃ駄目だ。勝つんだ、自分の持てる力全てを使って必ず勝つ。守るために、命を守るために。二度と理不尽に奪わせない。もう二度と、誰も、俺たちと同じ悲しい思いをさせない。」
時は少し遡り、伊之助は鬼の巣に通じる穴を発見。体中の関節を外し穴の中へ。頭さえ通れば伊之助はどんな狭い場所でも潜入できる。開けた洞窟に到着。そこには無数の帯があり、多くの人が閉じ込められていた。その中に、寝ている善逸も発見する。

伊之助の前に目と口がついた帯の化け物が現れた。だが、伊之助は怯むこと無く、切り裂いていく。上手く人間の部分は避け、帯の化け物も伊之助の感の鋭さに苦戦する。「どうする?」と考えていると本体の堕姫から「生かして捕らえろ。そこにいる何人か喰ってお前の体を強化しろ」と指示が来る。

更に伊之助は斬りかかるも帯がぐねるせいで上手く斬れない。『獣の呼吸 陸の牙 乱杭咬み』を使おうとするが、帯の化け物が挑発。「アタシを斬ったって意味無いわよ、本体じゃないし。それよりせっかく救えた奴らが疎かだけどいいのかい?」と帯の化け物は人間に襲いかかる。

帯の化け物にクナイが打ち込まれる。開放された宇髄の嫁・須磨とまきをが助太刀したのだ。『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃・六連』善逸も参戦し、帯を切りまくる。あまりの速さに驚愕する帯の化け物。「それよりも今、音が二つ鳴らなかったか?落雷のような音が重なって二つ鳴った。もう一つは上から…」

ド派手な音と共に天井に穴が空き、宇髄が現れた。「この気配、柱」と考える間もなく、宇髄は次々と帯を切り裂いていく。
「昔はこんなんじゃなかったんだけどな...」と宇髄に嫁入りしたことを思い起こす。忍び、特に男よりも力が劣るくノ一にとって命を掛けるのは最低限の努力。だが、宇髄は違った。「自分の命のことだけ考えろ。他の何を置いてもまず俺の所へ戻れ、任務遂行より命。死ぬなよ。」自分たちの命を考えてくれる人に出会ったのは初めてだった。

第6話「重なる記憶」

【原作】9巻77話「轟く」から10巻80話「価値」

炭治郎と堕姫の戦いはより一層激しくなる。すると帯が集まり、堕姫の体に入っていった。「あの方に喜んでいただけるわ…」分裂させ帯を回収、本来の力を取り戻した。堕姫の髪は白くなり、匂いも一層禍々しくなる。

そこに騒ぎを聞きつけた遊郭の主人が登場。堕姫は「うるさいわね!!」と帯で周囲の店ごと切り裂く。炭治郎は攻撃を防ぎきれずに吐血。主人の腕は切り落とされてしまった。更に建物内にいた人々も切り裂かれ、悲鳴が響く。あたりは一瞬にして地獄絵図に。


堕姫は炭治郎に目もくれず、柱である宇髄の元へ向かおうとする。「待て、許さないぞ、こんなことをしておいて…!」非常な堕姫に炭治郎の怒りは頂点に。目は真っ赤に染まり、額の痣が濃くなっていく。


炭治郎は煉獄杏寿郎の父・槇寿郎から届いた手紙の内容を思い起こす。煉獄槇寿郎からの手紙には、日の呼吸の選ばれた使い手は生まれつき赤い痣が額にある、と書かれてありました。しかし、炭治郎の額の痣は弟が火鉢を倒した時庇って出来た火傷。さらに最終選別で負傷して今の形となったもの。、炭治郎には自分が選ばれた使い手ではないとの自覚がありました。

「俺の父は生まれつき額に薄く痣があったようですが、俺は違います。俺はきっと、選ばれた使い手ではないのでしょう。でも、それでも、選ばれた者でなくとも、力が足りずとも、人にはどうしても退けない時があります。人の心を持たない者がこの世には居るからです。理不尽に命を奪い、反省もせず悔やむこともない。その横暴を俺は絶対許さない!!」
炭治郎は堕姫の片足を掴み斬りかかる。刃は届いたがすぐに再生されてしまう。「失われた命は回帰しない、二度と戻らない。」堕姫は炭治郎に別の人物を重ねる。
「なぜ奪う?なぜ命を踏みつけにする?何が楽しい?何が面白い?命を何だと思っているんだ!!」
堕姫の記憶にある人物ではない。きっと無惨の細胞に刻ま割れた記憶だ。

一方、堕姫の帯がある巣穴。伊之助は「みみず帯共が穴から散って逃げたぞ」と報告。宇髄は「うっせーよ!!」としつつも伊之助、善逸を抱えて地上へ。伊之助と善逸も必死に宇髄たちを追いかける。
再び炭治郎VS堕姫。
『血鬼術 八重帯斬り』一気に畳み掛ける堕姫。最大の力を発揮した自分には適うはずがない、と高をくくっていた。だが、『ヒノカミ神楽 灼骨炎陽』を炭治郎は繰り出す。斬撃を受けた所に灼け流るような痛みを感じる堕姫。さらにうまく体も再生できなかった。炭治郎は攻撃の手を緩めず、距離を詰めていく。ついに炭治郎の日輪刀が堕姫の頸を捉えた。炭治郎は一瞬で距離を詰め、帯を斬り裂いていく。あまりの速さに堕姫も追いつくことが出来ない。

「今度はいける、斬れる。」だが、頭の中に妹・花子の「お兄ちゃん、息をして、お願い」の声が響く。炭治郎はむせ、動けなくなってしまった。堕姫への怒りから体力の限界を超えた炭治郎。だが、息を止めていたことで命の限界を迎えてしまった。
倒れ込んだ炭治郎は再び絶体絶命のピンチに陥りますが、そこに禰豆子が駆け付けて堕姫を攻撃し炭治郎を助けます。禰豆子は堕姫を前にすると、家族を鬼舞辻無惨に殺された頃の記憶が蘇り激しい怒りに突き動かされ、さらに堕姫を攻撃します。

その瞬間、禰豆子の蹴りが頭に炸裂した。その顔には激しい怒りの形相を浮かべていた。堕姫は頭を再生しつつ、禰豆子が無惨が言っていた自分に従わない鬼だと気づく。

しかし、禰豆子よりも堕姫の攻撃の方が速く堕姫に体を切断されてしまいます。それでも禰豆子は切断された体を回復再生し復活すると、禰豆子の体はより鬼に近い姿へと変貌していきます。変貌した禰豆子は堕姫の攻撃をもろともせず、堕姫に蹴りをくらわせます。

第7話「変貌」

【原作】10巻83話「変貌」〜86話「妓夫太郎」

禰豆子は怒りのまま覚醒。体は大きく、より鬼に近い姿となり、堕姫と激突する。帯が禰豆子に炸裂し、体はバラバラに。だが、そのまま堕姫の体を押さえつける。吹き出した血が固まり、禰豆子の体を繋ぎ止めていた。『血鬼術・爆血』が炸裂。返り血が燃え、堕姫は苦しみだす。堕姫は禰豆子の返り血で焼かれている時に人間の頃の記憶が一瞬蘇り、動きが止まります。禰豆子は体を瞬く間に再生し堕姫を遊郭へと蹴り飛ばす。

遊郭の中には逃げ遅れた人々がいて血を流している。堕姫を攻撃した禰豆子は人の血を見て、さらに鬼化が進み人に襲い掛かろうとしますが、炭治郎は体を張って禰豆子を止めます。
さらに堕姫が立ち上がり、追いかけてきた。怒りの形相の堕姫、暴走する禰豆子、守らなければならない人々。炭治郎は思考を張り巡らせる。

「おいこれ竈門禰豆子じゃねーか。派手に鬼化が進んでやがる。」

すでに宇髄の攻撃は入っており、堕姫の頸は斬り落とされた。あまりの早業に息を呑む炭治郎。

「おい、戦いはまだ終わってねぇぞ。妹をどうにかしろ。ぐずり出すような馬鹿ガキは戦いの場にいらねぇ。地味に子守り唄でも歌ってやれ。」

禰豆子は暴れ続け、炭治郎ごと外に飛び出す。
炭治郎は幼い頃に母が歌ってくれた子守唄を禰豆子に聞かせる。母を思い出し大泣きする禰豆子。鬼化は解かれ、小さくなった禰豆子はそのまま眠りにつく。
宇随天元は堕姫の頸を斬り落とし、さっさと堕姫から離れようとする。悔しさから大泣きする堕姫。宇髄は唖然としながらも違和感を感じる。頸を斬り落としたはずなのに堕姫の体が消滅しないからだ。
「死ねっ、死ねっ、皆死ねっ。頚斬られたぁ、頚斬られちゃったぁ。お兄ちゃあぁぁん!!」

ズズッと堕姫の体から別の男の鬼が現れた。宇髄はつかさず斬りかかるもかわされてしまう。男の鬼は堕姫を移動させ、「泣いてたってしょうがねぇからなあぁぁ。頚くらい自分でくっつけろよなぁ」と語りかける。宇髄は再び斬りかかる。が、またしてもかわされ、逆に額を斬られてしまう。

それを外から見ていた炭治郎。新手の存在と宇髄の血の匂いを感じる。そこに伊之助と善逸が到着。炭治郎は禰豆子を箱に戻すため一旦離脱と宇髄への加勢を2人に頼む。

一方、妓夫太郎の攻撃から人々を守った宇髄。だが、更に傷を負ってしまう。『血鬼術・飛び血鎌』妓夫太郎の血鬼術が炸裂。さすがの宇髄も人々を庇いながらでは捌ききれず、爆発を起こして1階へ退却。飛び血鎌は軌道を変え、宇髄に襲いかかる。宇髄は飛び血鎌を捌きながら「妹の方は頚を斬っても死ななかかった。兄貴の頚を斬れば諸共消滅するのか?兄貴が本体なのか?」」と思考を巡らせる。

上の階の人々はすでに逃げたと判断し、爆薬投げる宇髄。さらに日輪刀で衝撃を与え、爆発させる。だが、妓夫太郎は堕姫の帯で身を守っていた。

「俺たちは二人で一つだからなあ。」

第8話「集結」

【原作】10巻87話「集結」〜11巻89話「混戦」

真の上弦の陸と呼べる鬼・妓夫太郎が登場。その力は宇髄も圧倒し、毒を食らってしまう。宇随天元は、妓夫太郎から生まれた時から特別な奴だったんだろう、選ばれた才能だ、妬まれます。しかし宇随は他の柱にはまだ得体のしれない奴がいると妓夫太郎に言い、さらに心の中で煉獄のようにはできない、とつぶやきます。

一方、炭治郎は禰豆子を箱の中に入れ、宇髄の元へと急ぐ。

宇髄は過去の生き方を思い起こす。
忍の一族に生まれた宇髄は父から厳しい訓練を受けた。姉弟は下の弟を除いて皆死んだ。部下は駒、妻は後継ぎを産むためなら死んでもいい。本人の意思は尊重しない、ひたすら無機質であることを強いられた。「俺はあんな人間になりたくない」と考えているうちに出会ったのがお館様である産屋敷。
 
妓夫太郎の飛び血鎌には毒があり、宇髄の体を確実に蝕んでいたが、宇髄の闘志は折れはしない。宇髄は帯を斬りながら接近、堕姫を蹴り上げる。さらに爆薬を投げつける。妓夫太郎は見送ったが、堕姫は帯で切り裂き爆破。宇髄の爆薬は僅かな衝撃で爆発し、その威力は鬼にも有効だ。すると宇髄の日輪刀の刃先が頸に迫っていた。宇髄はもう一方の刃先を手で持ち、長さを稼いでいた。だが、かわされ妓夫太郎の方の頸は切り落とせなかった。

徐々に宇随に鬼の毒が回り始め宇随にも焦りの色が出始めますが、そこに炭治郎、伊之助、善逸の三人が集結します。
炭治郎は喉の奥が麻痺するほどの匂いから妓夫太郎こそが本体だと察する。疲労、それとも恐れからか手が震えてしまう炭治郎。威勢のいい宇髄に対し堕姫は「勝てないわよ、頼みの綱の柱が毒にやられてちゃあね」と言い返す。炭治郎は宇髄に煉獄の面影を感じる。

炭治郎は上弦の陸が二体に分裂している事に困惑しますが、宇随から上弦の陸の倒し方、二体同時に頸を斬るという事を教えてもらいます。そして、伊之助と善逸は堕姫を、宇随と炭治郎は妓夫太郎を分担して倒すことにします。善逸の雷の呼吸が炸裂し、堕姫を屋根の上まで吹き飛ばす。つかさず伊之助も「蚯蚓女は俺と寝ぼけ丸に任せろ。お前らはその蟷螂を倒せ、わかったな」と堕姫を追いかける。

しかし、妓夫太郎の左眼が堕姫の額に移ると二人の殺気が増し、妓夫太郎と堕姫は連携の取れた攻撃をしかけてきます。目を移動させることで2人は視覚や感覚を共有、真の力を引き出すことが出来る。
凄まじい殺気を感じる炭治郎。「宇髄さんは毒を喰らってる、俺が守らないと。アイツが動いた瞬間に刀を振れ、ほんの少しでも動いたらその瞬間に」と考えるまもなく、妓夫太郎は間合いを詰めるる。

宇髄が炭治郎を真上に飛ばじ、妓夫太郎に斬りかかる。「何をしてるんだ、逆に庇われて足を引っ張ってる」と炭治郎が考えていたのもつかの間、上から無数の堕姫の帯が降り注ぐ。

堕姫と妓夫太郎の帯と飛び血鎌の合わせ技が炸裂。建物をも斬り刻んでく。宇髄が爆発を引き起こし、瓦礫を吹き飛ばす。そこに妓夫太郎が襲いかかる。妓夫太郎は血を自在に操るため、宇髄でもその太刀筋を読みきれない。妓夫太郎は宇髄の背後から飛び血鎌を繰り出す。間一髪で炭治郎が防ぐ。
宇髄は音の呼吸で飛び血鎌を押し返えそうとするも、妓夫太郎は防ぎきる。さらに堕姫の帯も炸裂。炭治郎は日輪刀を突き刺し、防いでいく。すでに炭治郎は限界を迎えていた。

一方、善逸と伊之助にも帯と飛び血鎌が炸裂。炭治郎も含め、かわすのが精一杯だ。

そこに雛鶴が現れ無数のクナイを放つ。『血鬼術・跋扈跳梁』クナイを弾き飛ばす妓夫太郎。クナイは宇髄に刺さってしまうが、元忍びの彼は気にもとめず妓夫太郎の足を斬る。その間にクナイが妓夫太郎に突き刺さる。藤の花の毒により足が再生せず、身体が痺れた状態になります。宇随はさらに妓夫太郎に攻撃を加えようとし、炭治郎も宇随の攻撃に連携して妓夫太郎の頸を斬り落とそうとします