-竈門 炭治郎-


***ネタバレ知りたくない方はご注意ください*** 



―下弦の壱・魘夢との戦い―

【原作】7巻54話「こんばんは煉獄さん」~56話「目覚めろ」

炭治郎たちは煉獄に会うために『無限列車』へと乗車した。
煉獄に会った炭治郎は『ヒノカミ神楽』について尋ねたが、煉獄も何も知らなかった。煉獄はこの無限列車で多数の鬼殺隊の隊員が消息を絶っている事、鬼がこの列車内に潜んでいる事を教えた。この無限列車には下弦の壱である魘夢が潜んでいた。

魘夢は『眠り鬼』と称される鬼であり、自在に夢を見せる力を持っていた。魘夢は血鬼術により炭治郎たちを眠らせ、夢を見せた。そして幸せな夢を見せることを条件に人間たちを協力させ、人間たちを炭治郎たちの夢の中に送った。魘夢は夢の外にある『無意識の領域』にある『精神の核』を破壊して炭治郎たちを廃人にしようとしていた。
炭治郎は家族が生きている夢を見ていた。炭治郎は兄妹を見て泣き叫んだ。しかし、何で泣いたのかが分からなかった。

それから家族と生活していた炭治郎だったが、山の中にあった禰󠄀豆子を入れる箱を目にする。

そして水汲みに出た時に、鬼殺隊の隊服を着た自分が水面に映っているのを見た。そして炭治郎は隊服を着た炭治郎に水中の中に引きずられ、ここが夢の中だと知らされた。

しかし炭治郎は夢から抜け出す方法がわからなかった。


【原作】7巻56話「目覚めろ」~58話「おはよう」

一方、現実世界ではただ一人眠っていなかった禰󠄀豆子が炭治郎に頭を撫でて欲しくて炭治郎を起こそうとしていた。禰󠄀豆子は目を覚まさない炭治郎に頭突きをするが、炭治郎が石頭だったせいで額から出血する。

それに怒った禰󠄀豆子は血鬼術で炭治郎を燃やした。すると夢の中の炭治郎にも火がついた。すると炭治郎はいつの間にか隊服と日輪刀を持っていた。炭治郎は「早く戻らないといけない。ごめんな。」と家族に告げて家を出た。

しかし、そこで人間の姿をした禰󠄀豆子と母親、弟の六太に遭遇し、炭治郎は足を止めた。炭治郎は「ああ…ここに居たいなあずっと。振り返って戻りたいなあ。本当ならずっとこうして暮らせていたはずなんだここで。本当ならみんな今も元気で、禰󠄀豆子も陽の光の中で、青空の下で。本当なら、本当なら、俺は今日もここで炭を焼いていた。刀なんて触ることもなかった。本当なら…本当なら!でももう俺は失った!戻ることはできない!」と考え、家族を置いて走り出した。

その時、六太が「お兄ちゃん置いていかないで!」と叫んだ。それを聞いた炭治郎は「ごめん。ごめんなあ六太。もう一緒にはいられないんだよ。だけどいつだって兄ちゃんはお前のことを想っているから。みんなのことを想っているから。たくさんありがとうと思うよ。たくさんごめんと思うよ。忘れることなんて無い。どんな時も心は傍にいる。だからどうか許してくれ。」と思い、涙を流した。

そして炭治郎は自分の頸を斬り、夢から覚醒した。そして禰󠄀豆子の血鬼術により善逸たちを起こした。

【原作】7巻58話「おはよう」~8巻62話「悪夢に終わる」

魘夢は列車と同化し、乗客全てを喰おうとしていた。そこで煉獄、善逸、禰󠄀豆子が乗客を守り、炭治郎と伊之助が魘夢を倒しに行くことになった。

炭治郎と伊之助は鬼の気配がする先頭車輌へと急ぐ。魘夢は列車と融合しているために、そこら中に魘夢の眼があった。魘夢は自身と眼があった者を眠らせる血鬼術を持っていた。炭治郎は眠る度に夢の中で自決して目を覚ました。伊之助は猪の被り物をつけているお陰で魘夢と眼が合うことがなく、眠らなかった。

先頭車輌の床を切り裂くと、そこには巨大な鬼の骨があった。炭治郎たちは骨を断とうとしたが、そこにいた車掌が伊之助に襲い掛かった。その車掌も魘夢に夢を見せて貰おうとしていた。炭治郎は伊之助を庇って車掌に刺された。その後、炭治郎はヒノカミ神楽でで骨を断ち、魘夢を倒した。



―上弦の参・猗窩座の襲来―

【原作】8巻63話「猗窩座」~65話「誰の勝ちか」

魘夢が倒されたことで、列車は脱線事故を起こした。炭治郎たちは魘夢の肉に跳ね返り無事だった。乗客たちも脱線の衝撃を煉獄が和らげた為、死傷者はいなかった。炭治郎たちは胸をなでおろし一息つくが、そこへ上弦の参・猗窩座が襲来する。
 
煉獄は猗窩座と戦いを始めるが、猗窩座は魘夢とは比べ物にならないほどの力を持っており、腕を切断されても即座に修復した。炭治郎は煉獄に加勢しようとするが、魘夢との戦いで重傷を負っていたことにより、煉獄から戦闘を禁止される。

傷を即座に治し、無尽蔵の体力を持つ猗窩座は徐々に煉獄を追い詰めていき、最後には煉獄の胸に腕を串刺しにした。しかし、それでも煉獄は諦めることなく、猗窩座の頸に日輪刀を振るった。

その時、夜が明けて朝日が差そうとしており、猗窩座は腕を引きに抜いて逃げようとしたが、煉獄は筋肉を引き締めて逃さなかった。しかし、猗窩座は自身の腕を切断して逃亡した。

炭治郎は逃げる猗窩座に対し日輪刀を投げて刺し、「逃げるな卑怯者!」と叫んだ。この言葉により猗窩座は炭治郎に憎しみを抱くようになる。


【原作】8巻65話「誰の勝ちか」~66話「黎明に散る」

炭治郎は煉獄の元へと駆け寄った。煉獄は自分の死を悟っていた。煉獄は自身の生家に行けば『ヒノカミ神楽』について何かが分かるかもしれない、教えた。

そして「竈門少年、俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める。汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。命をかけて鬼と戦い人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ。胸を張って生きろ。己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け。君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない。俺がここで死ぬことは気にするな。柱ならば後輩の盾となるのは当然だ。柱ならば誰であっても同じことをする。若い芽は摘ませない。竈門少年、猪頭少年(伊之助のこと)、黄色い少年(善逸のこと)、もっともっと成長しろ。そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。俺は信じる。君たちを信じる。」と言い遺して煉獄は命を落とした。

炭治郎は「悔しいなぁ。何か一つできるようになっても、またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。すごい人はもっとずっと先のところで戦っているのに、俺はまだそこにいけない。こんなところでつまずいてるような俺は…俺は…煉獄さんみたいになれるのかなぁ…。」と言って涙を流した。


「煉獄家への訪問」→