-不死川玄弥-

***ネタバレ知りたくない方はご注意ください*** 

上弦の肆・半天狗との死闘~刀鍛冶の里編
柱 稽 古
上弦の壱・黒死牟との戦い~無限城編
不死川玄弥の過去

不死川玄弥(しなずがわげんや)は藤襲山における最終選別を潜り抜け、鬼殺隊へと入隊した5人の同期隊士の一人。実兄に最高位剣士・柱の一人である"風柱"の不死川実弥を持つが、自身は同じく柱である"岩柱"の悲鳴嶼行冥に弟子として師事している。
 
日輪刀と、登場人物の中で唯一「銃を武器」としている。鬼殺隊の剣士だが「呼吸」を使うことができない。その為、玄弥が持つ日輪刀は刀身の色が変わっていない。

しかし、並外れた咬合力と鬼を喰らって力を増すことができる特異体質を持っている。その体質のおかげで、常人では考えられない耐久力を持っており、胴を切り離されても死ぬ事はない。

上弦の壱である黒死牟は、戦国時代にいた鬼喰いの剣士よりも丈夫だと話した。鬼の肉や、鬼が作り出した血鬼術を喰らうことにより、切断された部位を繋げることができ、身体能力も飛躍的に上昇する。



―上弦の肆・半天狗との死闘―
【原作】12巻第101話「内緒話」
~15巻第125話「迫る夜明け」

 
玄弥が刀鍛冶の里で療養している時に、炭治郎と禰󠄀豆子がやってくる。温泉で炭治郎と再会した玄弥は、開口一番「死ね!」と言い、炭治郎を湯の中に沈めた。

しかし、炭治郎はそのことを全く気にしておらず、玄弥の部屋へやってきて友達かのように話しかけてきた。玄弥は困惑しながら「出てけお前!友達みたいな顔して喋ってんじゃねーよ!」と言うと、炭治郎は「えっ俺たち友達じゃないの?」と驚いた顔を見せた。

玄弥は以前に腕を折られた事を持ち出すが、炭治郎は「あれは女の子を殴った玄弥が全面的に悪いし仕方ないよ」と当たり前のように話した。
その後、刀鍛冶の里に上弦の肆・半天狗上弦の伍・玉壺が襲来する。玄弥は半天狗と炭治郎・禰󠄀豆子との戦いに参戦する。

半天狗は追い詰められれば追い詰められるほどに強くなる鬼であり、四体の鬼を作り出す。玄弥はその内の一体である哀絶と戦いを繰り広げる。哀絶は十字槍を振るう鬼であり、玄弥は致命傷を負う。

しかし、玄弥はいくら槍を突きつけられても死ぬことはなかった。そして玄弥は鬼を喰らい、身体能力を強化して哀絶の頸を落とすことに成功する。
半天狗は、分裂した鬼の頸を同時に落としても倒すことができなかった。炭治郎は半天狗の本体を見つけようとするが、その時、玄弥が炭治郎の頸を締めた。

玄弥は「図に…乗るなよ。上限を倒すのは…俺だ!」と食ってかかった。炭治郎はそれに怒ることがなく、「なるほど!そうかわかった!俺と禰󠄀豆子が全力で援護する!三人で頑張ろう!」とあっけらかんと言った。

その後、分裂体の鬼が復活する中、炭治郎が半天狗の本体を見つけ、玄弥が本体の頸を落とすように任される。半天狗の本体は鼠ほどの小さな鬼だった。玄弥は半天狗を目掛けて日輪刀を振り下ろすが、半天狗の頸は硬く、逆に日輪刀が折れてしまった。
そこで玄弥は銃を撃つが、半天狗は無傷だった。自分では半天狗を倒せないと察した玄弥は、炭治郎に本体を任せた。炭治郎は半天狗を追い詰めるが、その時、分裂していた鬼が合体し『憎珀天』という鬼が誕生した。

憎珀天はこれまでの鬼とは比べ物にならないほどに強く、玄弥たちは防戦一方となる。しかし、そこへ恋柱である甘露寺蜜璃が駆けつける。憎珀天の相手は甘露寺に任せ、玄弥たちは半天狗の本体を追いかける。

半天狗の本体は分裂体に戦闘をさせるために攻撃してくることはなかったが、すばしっこく、逃げ回った。しかし、炭治郎が反天狗を捉え、頸を落とした。



- 柱 稽 古 -
【原作】15巻第132話「全力訓練」
~16巻第135話「悲鳴嶼行冥」

 
 
半天狗との戦いで禰󠄀豆子が太陽を克服した為、鬼の首魁である鬼舞辻無惨が総力を挙げて攻めてくると考えられた。そこで、柱たちによる鬼殺隊員への訓練『柱稽古』が始まった。
 
玄弥はその時、兄である実弥と再会する。玄弥は実弥に詫びようとするが、実弥は「俺には弟なんていねェ。いい加減にしねぇとぶち殺すぞォ」と言い、聞く耳を持たなかった。

さらに実弥は「馴れ馴れしく話しかけてんじゃアねェぞ。それからテメェは見た所、何の才覚もねぇから鬼殺隊辞めろォ。呼吸も使えないような奴が剣士を名乗ってんじゃねぇ」と言い放った。

玄弥は「待ってくれよ兄貴!ずっと俺は兄貴に謝りたくて!」と食い下がったが、実弥は「心底どうでもいいわ。失せろォ」と相手にしなかった。そんな実弥に対して玄弥は「そんな…俺…鬼を喰ってまで…戦ってきたんだぜ…」と零した。
 
それを聞いた実弥は鬼気迫る表情で「何だとォ?今何つった?テメェ……鬼をォ?喰っただと?」と言った。そして次の瞬間、実弥は玄弥の眼を潰そうとした。玄弥は一部始終を見ていた炭治郎により助けられた。

炭治郎がどういうつもりか問うと、実弥は「再起不能にすんだよォ。ただしなァ。今すぐ鬼殺隊を辞めるなら許してやる」と話した。

それを聞いた炭治郎は「さっき弟なんかいないって言っただろうが!玄弥が何を選択したって口出しするな!才が有ろうが無かろうが、命を懸けて鬼と戦うと決めてんだ!兄貴じゃないって言うんなら絶対に俺は玄弥の邪魔をさせない!玄弥がいなきゃ上弦に勝てなかった!再起不能になんかさせるもんか!」と訴えた。
 
その後、実弥と炭治郎は取っ組み合いの喧嘩を始め、玄弥は善逸によって引き離された。炭治郎は実弥との接触を禁じられ、岩柱の悲鳴嶼行冥のところで稽古していた。

玄弥は炭治郎の元を訪れ、庇ってくれた事について礼を言った。そして、悲鳴嶼の訓練のコツや、鬼喰いをしている自分の身を案じて悲鳴嶼が弟子にしてくれた事、炭治郎に鬼喰いについて文句を言われると思っていたことなどを話した。
その後、実弥と炭治郎は取っ組み合いの喧嘩を始め、玄弥は善逸によって引き離された。炭治郎は実弥との接触を禁じられ、岩柱の悲鳴嶼行冥のところで稽古していた。

玄弥は炭治郎の元を訪れ、庇ってくれた事について礼を言った。そして、悲鳴嶼の訓練のコツや、鬼喰いをしている自分の身を案じて悲鳴嶼が弟子にしてくれた事、炭治郎に鬼喰いについて文句を言われると思っていたことなどを話した。
 
その後、無惨が鬼殺隊の長である産屋敷耀哉の元へ現れる。耀哉は家族を犠牲にして自爆し、無惨にダメージを与えた。そこに炭治郎や柱が駆け付けるが、一同は『無限城』という異空間に落とされてしまう。
 


―上弦の壱・黒死牟との戦い―
【原作】19巻第165話「愕然と戦慄く」
~21巻第179話「兄を想い弟を想い」

 
玄弥も無限城の中に入っていた。一人で行動していた玄弥は、上弦の壱である黒死牟と戦う霞柱・時透無一郎を見つける。

時透は黒死牟に腕を斬り落とされ、刀を奪われて柱に打ちつけられていた。玄弥は柱の陰から黒死牟を不意打ちしようとしたが、次の瞬間、黒死牟は玄弥の背後に回っていた。そして玄弥は両腕と胴を両断されてしまう。

それでも玄弥は死ななかったが、黒死牟は玄弥の頸を落とそうとする。その時、兄の実弥が助けに入った。
 
実弥は「…テメェは本当にどうしようもねぇ弟だぜぇ。なんのために俺がァ母親を殺してまでお前を守ったと思ってやがる」と話した。

その時、玄弥は柱稽古の時の「風柱のお兄さんのことなんだけど、あの人はさ玄弥。鬼殺隊に入ったことをすごく怒ってはいた。でも憎しみの匂いは少しもしなかったんだ。だから怯えなくていいんだよ。伝えたいことがあるなら言ったって大丈夫だよ。実弥さんは玄弥のことがずっと変わらず大好きだから」という炭治郎の言葉を思い出した。

そして更に実弥は「テメェはどっかで所帯持って、家族増やして爺になるまで生きてりゃあ良かったんだよ。お袋にしてやれなかった分も、弟や妹にしてやれなかった分も、お前が、お前の女房や子供を幸せにすりゃあ良かっただろうが。そこには絶対に俺が鬼なんか来させねぇから…」と言った。

それを聞いた玄弥は涙を流しながら「ごめん兄ちゃん…ごめん…」と詫びた。
 
そして実弥は「よくも俺の弟を刻みやがったなァ!糞目玉野郎ォオ!許さねェ!許さねェ!許さねェェ!」と言って黒死牟に立ち向かって行った。

その後、悲鳴嶼も応援に駆けつけるが、それでも黒死牟の優位は揺るがなかった。玄弥は拘束を解いた時透に自身の切り離された部位と、周囲に落ちていた黒死牟の髪と折れた刀を持ってくるように頼んだ。

玄弥は「最後まで…戦いたいんだ…。兄貴を…守る…。死なせたくない…」と話した。そして玄弥は黒死牟の髪を喰らい、体を再生させた。
その時、玄弥は無惨の声を聞いた。無惨は鬼殺隊の剣士を近づけないように黒死牟に命じていた。玄弥は自身の体の変化に恐れを抱いた。
 
黒死牟は刀を変化させて戦い、とんでもないリーチで実弥と悲鳴嶼を苦しめていた。その戦いを見ていた玄弥は「やれるか?俺に。役に立てるのか?またすぐに気づかれて胴を割られて終いじゃねぇのか?」と疑問を抱き、自身の弱さを悔いた。

その時、玄弥は「一番弱い人が一番可能性を持ってるんだよ玄弥。一気に風向きが変わる。勝利への活路が開く」と炭治郎が話していた事を思い出した。そして「俺は兄貴を、師匠を、仲間を絶対死なせねぇ」と覚悟を決めて刀を喰らった。
 
黒死牟の刀を喰らった玄弥は実弥、時透、悲鳴嶼の攻撃に合わせて銃を撃った。黒死牟は銃弾を弾いたが、その銃弾は軌道を変えて黒死牟の体にめり込んだ。玄弥が持つ南蛮銃は黒死牟の刀を喰った事で多数の眼がついた銃に変わっていた。

更に玄弥は血鬼術を使えるようになっており、黒死牟の中の銃弾から樹木を生やして黒死牟の動きを封じた。その隙に3人が斬りかかるが、黒死牟は体中から刀を出し斬撃を放った。それにより玄弥は唐竹割りにされてしまう。

しかし玄弥はそれでも意識を失わず、黒死牟の中に残った銃弾で樹木を生やした。その樹木は黒死牟の血を吸い、それにより黒死牟は技を出せなくなった。そして実弥と悲鳴嶼の攻撃により、黒死牟は頸を落とされた。
黒死牟を倒すことができたが、玄弥の命は尽きようとしてた。悲鳴嶼は気絶した実弥を玄弥の隣に寝かせた。実弥が気が付いた時には、玄弥の体は鬼が死んだ時のように崩壊しようとしていた。

玄弥は「兄…ちゃん…ご…めん……。あの…時…兄ちゃんを…責めて…ごめん…。迷惑ばっかり…かけて…ごめん…。守って…くれて…あり…がとう…」「兄ちゃん…が…俺を…守ろうと…してくれた…ように…俺も…兄…ちゃん…を…守り…たかった…。同じ…気持ち…なん…だ…。兄弟…だから…。つらい…思いを…たくさん…した…兄ちゃん…は…幸せに…なって…欲しい…。死なないで…欲しい…。俺の…兄ちゃん…は…この世で…一番…優しい…人…だから…」と実弥に伝えた。

実弥は「ああああ頼む神様!どうかどうか弟を連れて行かないでくれ!お願いだ!」と言って泣き叫ぶが、玄弥は「あり…が…とう…兄…ちゃん…」と言い残して消滅した。ずっと母親を殺したことを責めてしまった兄に謝りたいと思っていた玄弥の願いが叶った瞬間でもあった。

その後、炭治郎たちが無惨を討伐し、平和が訪れた。



-不死川玄弥の過去-
【原作】13巻第115話「柱に」

不死川兄弟には、母親と他に5人の兄妹がいた。
父親はろくでなしで、家族によく暴力を振るっていた。父親は外でも恨みを買っており、ある日、誰かに刺されて死んだ。

母親は朝から晩までずっと働いていた。実弥は玄弥に「家族は俺たち二人で守ろう。親父は刺されて死んじまった。あんなのは別にいない方が清々するけど、父親がいねぇとなると皆心細いだろうから。これからは俺とお前でお袋と弟たちを守るんだ。いいな?」と話した。玄弥が「これからは、じゃなくて、これからも、だよな。」と話すと実弥は笑った。
ある夜、母親が夜が更けても帰って来ず、実弥が母親を探しに行った。玄弥は兄妹と共に家で2人の帰りを待っていたが、突如何者かが家に入ってきて、兄妹たちが襲われた。灯りが消えて何が起きているのか理解できない玄弥だったが、そこへ実弥が飛び込んで来て兄妹を襲った何者かを外へ連れ出した。

実弥の後を追った玄弥が見たのは、血に塗れて倒れた母親と、それを見下ろす実弥の姿だった。兄妹を襲ったのは、鬼となった母親だった。

その光景を目にした玄弥が発した言葉は「何でだよ!何でだよ!何で母ちゃんを殺したんだよ!うわああああ!人殺し!人殺し!」というものだった。

玄弥は兄妹を襲ったのが母親だということは理解していた。しかし、兄妹が死んでいくのを見て動転しており、母親が倒れているのを見て兄を罵倒してしまったのだった。

そして実弥は鬼殺隊に入り、玄弥は兄に謝るために後を追った。
玄弥は最終選抜を潜り抜け、鬼殺隊へと入隊する。
合格した玄弥は、試験を取り仕切っていた子供の髪を掴み「刀だよ刀!今すぐ刀をよこせ!鬼殺隊の刀!色変わりの刀!」と叫んだ。その時、同じ試験に参加していた炭治郎が止めに入った。

炭治郎は「この子から手を放せ!放さないなら折る!」と言って玄弥の腕を持つが、玄弥は悪びれる事なく「ああ?なんだテメェは!」と対抗した。それにより玄弥は炭治郎により腕を折られてしまう。これ以降、玄弥は炭治郎に敵対心を持つ。
それから玄弥は岩柱である悲鳴嶼行冥と行動を共にする。
炭治郎たちが下弦の伍・累と戦った後、『蝶屋敷』で炭治郎と再会する。玄弥は最終選抜の時から急激に身長が伸びていた。炭治郎とすれ違った玄弥は、炭治郎が避けたにも関わらず肩を当てた。そして炭治郎から挨拶されるも、それに応じることなく去って行った。